環境リーダー国際シンポジウム(プログラム生レポート)



白井 良和さん(M2)

 我々は、2012年11月11日から17日まで中国へ渡航し、西安建築科技大学にて開催された第3回環境リーダー国際シンポジウム、上海交通大学にて開催された第4回環境リーダー国際シンポジウムに参加した。 また、水処理施設や現地日系企業、歴史的建造物の視察といったフィールドワークを行った。 2つのシンポジウムにおいて、私は、自らの専門である固体酸化物形燃料電池の研究に関する口頭発表を行った。 過去3回の国際学会の経験から、英語による発表も満足にこなすことができ、質疑応答や発表後のディスカッションにより、自らの研究の新しい課題を発見することができた。 また、文理を問わない他の学生の発表を聴講することで、水処理、再生可能エネルギー、自然災害といった、自らの専門分野以外の環境問題に関する知見が得られた。 他の研究フィールドの知見や考え方、実験のプロセスは大変新鮮で、自らの研究にぜひ応用したいと感じた。 さらに、学生間の交流も大変充実しており、互いの国の衣・食・住の文化、大学生活、卒業後の進路などについて議論することができた。 高い意識を持って学業に取り組む中国の学生に刺激され、自分もより努力しなければと感じた。
 フィールドワークでは、中国のポテンシャルの大きさを再確認した。特に上海は、高層ビル、高層マンションが立ち並び、自動車は至る所で渋滞になるほどであった。 環境問題への対策という観点で見れば、観光施設にはリサイクルBOXが設置され、また飛行機での移動時には、太陽光発電施設や風力発電施設などの再生可能エネルギーの導入を確認することができた。 一方で、黄砂や自動車や工場の排ガスなどが原因だと推測されるが、目で確認できるほど大気は汚れており、大気汚染の深刻さを感じた。 たった一週間の中国滞在ではあるが、地球温暖化、大気汚染、水問題、貧困、人口増加といった問題を感じることになった。 急速に開発・発展が進む中国において、環境問題に関心のある中国市民は決して多くはないと感じた。 世界経済において、アジア・アフリカ諸国の中でも、特に中国の影響力は今後さらに大きなものになると考えられる。 加えて、もちろん日本も含め、アジア・アフリカ諸国の環境問題への意識は高まっていくべきである。 そして、全世界が共通の意識を持ち、持続可能な社会の実現に早急に向かう必要があると感じた。
 本渡航を通して、多くの環境問題に関する専門的な知識・スキルを獲得できた。 また、日本にいては学ぶことができないであろう、中国の文化や現状を知ることができた。 継続して、中国について学ぶとともに、親密な関係を築いていければと思う。 そして、今後も、環境リーダープログラムの講義や実習を通して、環境問題に関する知識を深化させ、国際的なフィールドで環境問題を解決していくために必要な能力を身に付けていきたい。