東北大学大学院環境科学研究科長
吉岡敏明

 地球環境問題は既に最重要な国際問題であり,世界全体の経済発展と共にリスクは高まる一方です。なかでもアジア・アフリカ地域における発展とエネルギー・資源・水利用の両立は喫緊の課題となっています。 自国の発展と広範な地域あるいは国際社会のための利益を理解し,国際的なエネルギー・資源政策や企業の国際戦略を立案・執行できる国際環境リーダーが今こそ求められています。
 本プログラムは、そのような国際環境リーダー、即ち、エネルギー・資源分野の高い専門性,マネージメント能力やその実践力,具体的な政策提案や国際企業戦略を立案できる総合力を有し,リーダーとしての自覚を持った次代の担い手を養成することを目的とし発足しました。
 東北大学には、エネルギー・資源に関し、多くの先導的、先駆的研究教育実績があります。それらをもとに、工学を基盤とする環境科学を教育する日本唯一の文理融合型総合的研究組織として独立研究科環境科学研究科が平成15年に誕生し、エネルギー・資源という産業基盤と持続的な社会構造基盤を構築できるグローバルかつ鳥瞰的視点を持った人材育成を行ってきました。 また、環境リーダー養成に関しては、環境問題全体を俯瞰し、技術戦略や経営戦略を立案できる人材養成、海外との連携教育(履修科目認証)、海外寄附講座の設置、英語による大学院教育、さらに環境技術が理解できる人文社会系の国際的人材養成など、さまざまな取り組みを行っています。
 このような教育と研究を基盤として、さらに発展的な教育プログラムとして環境リーダー育成を展開します。本プログラムは、日本のみならず、今後ますますの発展が期待されているアジア・アフリカ地域の環境問題の解決に向けて、地域特有の特性に対応した技術や政策の適正かつ効果的な適用を実現できるリーダーとして活躍を担う人材の育成をお約束します。