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東北大学には「研究第一主義」と「実学主義」という伝統があります。 「研究第一主義」は世界レベルの先端研究とそれに根ざした教育を第一義的に考えることを指しますが、「実学主義」は単に実用化研究を推進することではありません。 「実学主義」とは科学の実社会への適用を通して問題発見と新学問・技術領域の開拓を行い、社会に貢献することを意味しています。
環境科学にこれらをあてはめてみますと、「研究第一主義」は文字通り世界レベルの環境科学先端研究の推進であり、「実学主義」は実社会を舞台にした環境研究を通しての問題発見と新学問・技術領域開拓を意味します。 人類は今環境問題に直面していますが、そこでは、近年、地域の特性や文化に根ざした問題解決の重要性が認識されています。 これはまさに環境分野における「実学主義」の重要性にほかなりません。
東北大学大学院環境科学研究科では3つの21世紀COE研究や国内外の地域を対象にした研究が行われていますが、本年度、同和鉱業株式会社との包括協定ならびに宮城県との協力協定を締結し、実社会を舞台とした先端研究のための基盤を強化しました。 一方、東北大学のもう一つの伝統である「門戸開放主義」の一環として、社会人のリカレント教育、市民啓発活動にも力を入れています。
人類の未来のための文理融合・分野融合の環境科学の創成という理念のもとに当研究科が設立されてからもうすぐ満2年を迎えますが、昨年に引き続きこの1年の我々の活動をまとめましたので、忌憚のない御意見、御批判を賜れば幸いです。

東北大学大学院環境科学研究科長

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