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第109回コロキウム環境「環境問題解決に向けた超学際科学の方法論とエビデンス提示」
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- ■日 時 2017/09/19(火) 13:30-16:15
- ■場 所 環境科学研究科本館
4F 第3講義室
- ■講演 1 13:30-14:45 石井 敦 准教授 東北大学
超不確実性(hyper uncertainty)社会における問題解決のための科学:超学際科学とその実践例
概要 アメリカの経済学者、ジョン・ケネス・ガルブレイスが『不確実性の時代』を著してから今年でちょうど40年になる。現代社会を観察すれば、その不確実性は、今ではハイパー不確実性と呼ばざるを得ないほど拡大し続けてきた。このハイパー不確実性社会における問題解決を図るためには、従来型の科学ではなく、社会が持つ最良の知見を、新しいパラダイムのもとで自省しながら総動員しなければならない。その方法論の一つが、社会のステークホルダーと一緒に科学研究を行う超学際科学である。本報告では、超学際科学の方法論と日本における実践例(ジオエンジニアリングの研究課題の共創)を解説し、問題解決のための科学とはどうあるべきなのか、という問いについて考えてみたい。
石井 敦 准教授 略歴 東北大学東北アジア研究センター・准教授。専門は国際政治学、科学技術社会学。気候変動(特に気候工学)、越境性大気汚染、漁業資源管理、捕鯨などの諸問題に、従来型、分野横断型、超学際研究などの方法論で取り組んでいる。近著は、超学際研究の一部として、気候工学の研究課題をステークホルダーとともに抽出した結果を著したSugiyama et al. (2017) “Transdisciplinary co-design of scientific research agendas: 40 research questions for socially relevant climate engineering research,” Sustainability Science、『シベリア 温暖化する極北の水環境と社会』(第10章を分担執筆; 筆頭編著者の檜山哲哉氏が水文・水資源学会学術出版賞を受賞;京都大学出版会、2015年)がある。
- ■講演 2 15:00-16:15 山末 英嗣 准教授 立命館大学
関与物質総量を通じた「食」に関する資源強度の可視化
概要 我々人間の社会的な生活はほぼ例外なく資源採取に依存する形で実現されている。食に関しては、自然からの供給では追いつかず、肥料、農薬、温室といった人工的なエネルギー・物質の投入の上に成り立っている。特に近年、世界的な人口は増加しており、食料調達に関して人間がどのように資源に依存しているかを定量的に評価することは、今後の食糧資源戦略のために重要な情報となり得る。本発表では、我々が食を通じてどのように資源に依存しているのかを「関与物質総量」という指標を用いて可視化した結果について論じる。
山末 英嗣 准教授 略歴
2000年3月東京工業大学理工学研究科金属工学専攻 博士後期課程修了。博士(工学)。京都大学京都大学大学院エネルギー科学研究科寄附講座職員(助手相当)、助手、助教、ウィーン工科大学客員研究員(兼任)を経て、2016年より立命館大学理工学部機械工学科准教授。国立環境研究所客員研究員、京都大学エネルギー科学研究科非常勤講師も兼任、現在に至る。
世話人
環境・エネルギー経済学分野 松八重一代 教授