東北大学大学院環境科学研究科 〒980-8579仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-20

教育

環境科学演習 学生の主体的活動による新しい講義形態の紹介

経 緯

  環境科学研究科では、これまでの座学形式の講義を大きく改変した「環境科学演習」を平成17年度より導入し、前期課程1年次学生を対象として開講してきました。この科目を開講した理由は、学生による授業アンケートに散見された受身の授業への不満に対応するためと、あいまいな部分を多く含む地球環境問題を理解するためには、学生自身による自発的な調査と、他人の意見を聞きながら自分の考えを形成していく必要があると考えたからです。この科目には、新しい教育方法について豊かな経験をお持ちの教育学研究科 谷口和也准教授にご指導を仰ぎ、受講学生による教員へのヒアリングやインターネットによる調査、少人数のグループ討論とディベートを取り入れました。また、後期課程の学生数名をTAに採用し、個々のグループの面倒を見させました。
   開講当初の平成17、18年度は、2学期開講という事情もあって受講生は11名、後期課程のTAは3名という小規模なものでしたが、平成19年度から1学期開講に変更し、必修科目である「環境科学概論」と組み合わせたところ、受講生は29名に増えました。これに対応するために後期課程のTAを8名採用しました。
  「環境科学演習」には、学生の主体的学習能力、他者とのコミュニケーション能力、自己表現能力を高める様々な工夫が組み込まれています。それらの工夫が他の部局の教育の参考になればと思い、この度、Webにて公開させていただくことにいたしました。
  

演習の内容

平成19年度の「環境科学演習」のスケジュールと各週の内容を以下に示します。
いずれも午後の2講時分(90×2回)を充てました。 参考@(シラバス)
  
1週目
  • アイスブレーキング
    • 環境科学概論に出たキーワードを紙片に記載したものをグループに配り、模造紙にキーワードを関連付けて糊付けしていく。最終的にキーワードがネット状に展開し、環境問題の広がりが理解できる。
      参考A(環境問題のWeb)
    • 国名を付けたグループに鋏、定規、コンパス、分度器、白紙、お金(紙片)を与える。道具と紙幣は先進国に多く、白紙は途上国に多く配る。課題は白紙から指定の寸法の三角形、長方形、円を正確に切り出して銀行に提出すると、形状毎に決まったお金に交換できる。グループ間の交渉で道具、白紙、お金の交換ができ、出来るだけ早くお金を貯める。終了後に国ごとの利益を比較すると、先進国の有利性が見事に現れる。
  • グループ分けとディベート体験
    • 予め設定した3〜4名単位の8グループに分け、古新聞の利用法を列挙するゲーム。
    • 朝食は和食か洋食かのディベート。
    • 翌週以降に討論課題とする環境科学概論の15の講義をグループ毎に選択。
  
2週目
  • グループ討論の体験 その1 参考B(グループ討論の進め方)
    • グループ作業40分、発表40分の制限内で、討論の役割分担、グループ名称、概要の整理、発表の一連の作業を行った。
  • グループ討論の体験 その2
    • 上記と同様の時間制限内に、調査課題の選定、論点整理、調査スケジュールの確定の後にその発表を行った。
    • 上記のまとめをグループごとにレポートにして提出させた。
  
3週目
  • グループ討論および調査
  
4週目
  • 合同発表会(公開)
    • 各グループで調査、検討した成果をパワーポイントを使い20分で発表した。
    • 会場の出席者に評価票を配布し、発表技術・方法、質疑応答、内容の深さの項目を4段階評価してもらった。自由記述欄をまとめて受講生と担当者に配布した。
  
5週目
  • ディベート準備 (ディベート指導・練習) 参考C(ディベートの進め方)
    • ディベートの意義の説明後にビデオ※を上映した。
    • 2回のディベート演習を行った。1回目は資料なしで各自の知識に基づいて行い、ディベートの内容がデータの裏づけのない意見の言い合いに止まることを体験させた。2回目には担当者が準備したデータ集(中にダミーデータを含む)に基づいてディベートし、データに基づく議論の有効性を体験させた。
    • 担当者が提案したディベートテーマから、4題を選択させた。

※ 『教室ディベート入門〜食事中はテレビを見るべきではない〜』
財団法人日本放送教育協会 企画・制作 バンダイミュージックエンタテインメントビデオ

6週目
  • ディベート準備 (調査、ヒアリング、討論)
  
7週目
  • 見学会
    • 見学先:仙台環境開発廃棄物処分場 / 仙台市下水道部南蒲生下水処理場
    • 参加者:M1-22名、TA-5名、教員-6名 計33名
      
8週目 公開ディベート
  • 一般の視聴者を迎えて、1試合40分、4試合を実施した。
    • 第1試合「CO2の地下貯留を推進すべきである」
      A1vs.A2,審判B1・B2
    • 第2試合「原子力発電を推進すべきである」
      B1vs.B2,審判C1・C2
    • 第3試合「自家用車の保有を規制すべきである」
      C1vs.C2,審判D1・D2
    • 第4試合「日本はバイオ燃料の開発を進めるべきである」
      D1vs.D2,審判A1・A2
      (注)A1,A2等は同じ課題を課された2つのグループを表す。
  • 論点整理のための用紙および評価用紙を会場の全員に配った。
  • 評価は、@論点を明確に述べたか、A例や証拠を挙げて説明しているか、B相手の論点に反論しているか、C声の大きさ・話し方・態度、及び各論点について3段階評価とした。
  • ディベートの論点を谷口和也先生がその場で整理し、受講生に配布した。
    参考D(ディベートの論点整理)
  • ディベートの課題について、各自の意見に沿ったレポートを提出させた。
    参考E(ディベートのレポート例)
  • ディベートの様子をビデオ撮影した。
  

過去のディベート

  

評価について

  • 出席点20%(見学を含む)
  • 前半討論のレポート(グループ別採点40%)
  • 後半ディベートの最終レポート(個人別評価40%)

  

学生アンケート

学生による評価を知るために、電子メールで感想を集めました。設問は下記の通りです。
  
  1. あなたの所属するコース名
  2. この科目にどの様なことを期待しましたか。
  3. 実際に受講してみた結果、期待通りでしたか。それとも期待に反していましたか。特に期待に反していた点があれば、具体的に記して下さい。
  4. この科目は共通科目Bとして、内容や程度は適切でしたか。不適切と感じた場合、具体的にどのような点が不適切でしたか。
  5. 一連の授業の中で特に興味を感じた事柄は何でしたか。
  6. 授業の形式(グループ討論、講義、ディベート、見学等)について、改善すべき点は有りましたか。
  7. この授業を受けてよかったですか。
  8. 「環境科学演習」の授業時間以外に、この授業のために費やした時間はどのくらいありましたか。
  9. TAが授業に参加することは、役に立ちましたか。
  10. その他、気付いた点や感想を自由に記載してください。
これまで3年間の学生アンケート集計結果は参考G〜Iを参照下さい。
  

  

お問い合わせ連絡先

東北大学大学院環境科学研究科教務係
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-20
TEL:022-795-4504 / FAX:022-795-4309